ESC

Start typing to search across invoices, services, domains, tickets, and more...

Search... Ctrl+K
ネットワーク・IP

モスクワ⇔中国の回線テスト:CN2の見分け方と遅延・パケットロスの測定

11 ステップ 10 分で読めます 23 回閲覧 0
目次

モスクワのサーバーから中国本土への回線は大きく異なります。欧州のノードを経由して遠回りしてから中国へ戻るものもあれば、CN2などのネットワークで直結しているものもあります。回線が違えば、中国国内のユーザーにとっての遅延、夜間ピーク時のパケットロス、ダウンロード速度ははっきりと変わります。

本ガイドでは、一般的なコマンドラインツールを使って、モスクワのサーバーを行き経路・戻り経路・遅延・パケットロス・帯域の5つの観点からテストし、回線がCN2かどうか、迂回していないかを判断する方法を紹介します。

要点まとめ

  • モスクワのサーバーから中国本土への回線は大きく異なり、欧州のノードを経由して迂回するものもあればCN2などで直結するものもあるため、遅延、夜間ピーク時のパケットロス、ダウンロード速度がはっきり変わります。
  • 経路にAS4809または59.43.x.x帯のホップが現れれば中国電信のCN2ネットワークを経由しており、全区間が59.43.x.xで202.97.x.xが現れなければ通常はCN2 GIAです。
  • 中国本土からモスクワへの遅延は、直結経路なら通常100〜160ms程度、欧州経由で迂回する場合は通常200ms以上ですが、判断の基準はあくまでご自身の実測結果です。
  • モスクワのサーバーの回線をテストするには、日中と夜間ピーク時の両方で、pingで遅延とパケットロスを、mtrとNextTraceで戻り経路を、iperf3で実際の帯域を測定します。
  • IMIDCのモスクワデータセンターは中国本土に直結するCN2回線を提供しており、テストIPを申し込んで本ガイドの方法で実測してから判断できます。

対象環境 / 事前準備

  • モスクワのサーバー(またはプロバイダーが提供するテストIP)。OSはDebian、Ubuntu、Rocky Linux、AlmaLinuxなどで、root権限があること。ログイン方法は SSHでLinuxサーバーに接続する方法 を参照してください。
  • 中国本土にあるパソコン。できれば中国電信・中国聯通・中国移動の各ネットワークから個別にテストできることが望ましいです。
  • 理解しておきたい2つの概念:行き経路は手元のマシンからサーバーへ、戻り経路はサーバーから手元へ向かう経路です。ページの読み込みやダウンロードは主に戻り経路の影響を受けます。

1. 判断基準:CN2と迂回経路の特徴

経路の特徴 意味
AS4809または59.43.x.x帯のホップがある 中国電信のCN2ネットワークを経由
全区間59.43.x.xで、202.97.x.xがない 通常はCN2 GIA
国内区間が202.97.x.x(AS4134)、国外に出てから59.43.x.x 通常はCN2 GT
フランクフルト、アムステルダム、ストックホルムなど欧州都市のノードを経由 欧州を迂回して中国へ戻る
モスクワから中国国内の基幹網へ直接入る 直結経路
AS58453 / AS58807 中国移動 CMI / CMIN2
AS4837 / AS10099 / AS9929 中国聯通系のネットワーク

回線の見分け方の詳細は サーバー回線テストのチュートリアル:CN2 GIAと戻り経路の判別 をご覧ください。

2. pingで遅延とパケットロスを測る

中国国内のパソコンで次を実行します。

# macOS / Linux
ping -c 100 SERVER_IP

# Windows
ping -n 100 SERVER_IP

注目すべき値は3つです。

  • packet loss:パケットロス率。低いほど良好です。
  • avg:平均遅延。
  • mdev / 最大値と最小値の差:ジッター。小さいほど安定しています。

中国本土からモスクワへの遅延は、直結経路なら通常100〜160ms程度、欧州を迂回する経路では通常200ms以上です。これはあくまで業界でよく見られる範囲で、実際の結果は省、キャリア、時間帯によって変わるため、ご自身の実測結果を基準にしてください。日中と夜間ピーク時(中国時間20:00〜23:00)にそれぞれ1回ずつテストすることをおすすめします。

3. mtrでホップごとのパケットロスを確認する

サーバーにmtrをインストールし、中国国内のIPへの戻り経路をテストします。

# Debian / Ubuntu
apt update && apt install -y mtr-tiny
# Rocky / AlmaLinux
dnf install -y mtr

# Send 100 packets to the target IP in China and show AS numbers
mtr -rwzc 100 CHINA_TARGET_IP

オプションの意味:-r レポートモード、-w ホスト名を省略せず表示、-z AS番号を表示、-c 100 100パケットを送信。

結果の読み方:

  • 注目すべきなのは、あるホップから始まって宛先まで続くパケットロスだけです。途中の1ホップだけでロスがあり、その後のホップが正常なら、多くの場合ルーターがICMPを制限しているだけです。
  • ASの列で AS4809(CN2)またはAS4134(163)を探します。
  • ホスト名に含まれる都市名から、欧州のノードを経由していないかを確認します。

中国国内のパソコンでもmtrを使って行き経路をテストできます(macOSはHomebrewでインストール、WindowsはWinMTRを使用)。

4. NextTraceで経路を可視化する

NextTraceは各ホップのASN、キャリア、地理的位置を自動で表示するため、欧州を迂回しているかどうかがひと目でわかります。インストール前に公式リポジトリ(github.com/nxtrace)で最新のインストール方法を確認してください。一般的なワンライナーは次のとおりです。

curl nxtrace.org/nt | bash

戻り経路をテストします。

nexttrace CHINA_TARGET_IP

経路にFrankfurt、Amsterdam、Stockholmなどの欧州都市が現れれば、欧州経由で中継されています。Moscowの直後に中国のノードとAS4809のホップが現れれば、CN2の直結経路です。

ヒント:戻り経路をテストする際は、中国電信・中国聯通・中国移動それぞれの中国国内テストIPを選び、キャリアごとに1回ずつテストしましょう。

5. iperf3で実際の帯域を測る

遅延とパケットロスに加えて、実際のスループットも同じくらい重要です。サーバー側でサービスを起動します。

apt install -y iperf3   # or dnf install -y iperf3
iperf3 -s

中国国内のパソコンで次を実行します。

# Test the outbound route (upload from local to server)
iperf3 -c SERVER_IP -t 30 -P 4

# Test the return route (download from server to local); add -R to reverse
iperf3 -c SERVER_IP -t 30 -P 4 -R

-t 30 は30秒間実行、-P 4 は4本の並列ストリームを使用します。iperf3はデフォルトで5201番ポートを使うため、テスト前にファイアウォールで許可されているか確認してください。テストが終わったら Ctrl+C でサーバー側を停止し、ポートを開けたままにしないようにしましょう。

6. テスト結果の判断方法

テスト項目 理想的な結果 要注意のサイン
戻り経路 AS4809 / 59.43帯のホップがあり、欧州の迂回がない 欧州の複数ノードを経由して中継
夜間ピーク時のパケットロス ほぼ0% 1〜2%を超えるロスが続く
遅延のジッター 平均値と最大値の差が小さい 夜間ピーク時に遅延が大きく変動
iperf3(戻り経路) 契約帯域に近い 契約帯域を大きく下回り、変動も大きい

夜間ピーク時に性能が明らかに落ちる場合は、mtrとNextTraceの結果をスクリーンショットに撮り、プロバイダーにチケットを送って調査を依頼しましょう。

よくある質問(FAQ)

59.43帯のホップがあれば、必ずCN2 GIAですか?

必ずしもそうではありません。59.43.x.xはCN2ネットワークを経由していることを示しますが、国内区間に202.97.x.xも現れる場合は通常CN2 GTです。経路全体を見て判断する必要があります。

なぜ行き経路と戻り経路が異なるのですか?

インターネットのルーティングは非対称です。行きと戻りのトラフィックは異なるキャリアやノードを通ることがあるため、両方向をテストする必要があります。

中国聯通や中国移動のユーザーでCN2が見えないのは正常ですか?

正常です。CN2は中国電信のネットワークなので、中国聯通や中国移動のユーザーの経路はキャリア間の相互接続の方法によって決まります。実際の遅延とパケットロスで判断してください。

pingが通らないのは、サーバーが落ちているということですか?

必ずしもそうではありません。サーバーやファイアウォールによってはpingをブロックしています。代わりにtcpingでTCPポートをテストできます。ネットワークトラブルシューティングガイド を参照してください。

まとめ:データで判断し、正しい回線を選ぶ

回線が良いかどうかは、テストしてみればわかります。pingで遅延とパケットロスを、mtrとNextTraceでCN2を使っているか・欧州を迂回していないかを、iperf3で実際の帯域を確認しましょう。この方法はどの海外サーバーにも使えます。

IMIDCのモスクワデータセンターは中国本土に直結するCN2回線を提供しています。IMIDC公式サイト からテストIPを申し込み、本ガイドの方法でご自身でテストしてからご判断ください。中国語・ロシア語対応の技術チームが24時間365日対応しており、テスト結果の分析もお手伝いします。

関連サービス

関連記事

この回答はお役に立ちましたか?

関連チュートリアル